私たちの口永良部島は、美しく豊かな自然のおかげで、イセエビや魚、タケノコなど山の幸、海の幸に恵まれ、また、多くの観光客が島に来てくれます。
一方で、これからの島の発展を考える、若い働き盛りの島民は、島に定住してくれる若者を増やそう、小学校にあがる子どもたちを増やそう、島を活性化しようと努力しています。島で暮らしても良いなと興味を持ってもらうためには、この豊かな自然を利用することが欠かせません。
そのためにも、皆でこの自然を守りませんか?
エラブオオコウモリやウミガメを、これ以上は減らしたくありません。増えすぎた鹿から、山や森の生き物、木々や草花、海そのものも守りたいですね。
“体と口の動く人は、誰でも参加できます。そして、地区の活動とはひと味違う潤いのある活動をめざします。口永良部島の環境や生き物、歴史遺産をまもり、それらを子々孫々に伝えたいと願うとともに、日々の暮らしに忙しい働き盛りの人たちの役にも立ちたいと思います。”
役 割 | 名 前 | 紹介します。 |
---|---|---|
代表 | 山口 英昌 | ゆっくりと時が流れる島に暮らしながらパソコンにかじりつく、変な新参島人の前期高齢者。 |
事務局長 | 後藤 利幸 | 口永良部島の海と山を、隅々まで知り尽くしています。自然大好きロマン派の前期高齢者。 |
コース |
内容 |
時期 |
エラブオオコウモリ | 頭数・ペリット調査 |
通年 |
アオウミガメ | 生育調査 | 7月〜9月 |
植生 | 植生調査・植樹 |
4月〜11月 |
シカ・ノヤギ | 生息調査 |
通年 |
体験型・自然学習キャンプ企画書
2014年3月20日
更新 2014年4月13日
(1)趣旨・目的
1)趣旨
体験型・自然学習キャンプを開催する。自然に興味ある働く若者や児童・生徒・学生に、自然保護の調査活動(あるいは農作業)などに参加してもらい、体験的に自然を学ぶ機会を提供する。
2)目的
交流人口を増やし、ガイドなど雇用を創出することで、島の活性化と自然保護を推進することを目標にしたビジネス・モデルの構築・試行を目的と
(2)実施
1)キャンプ
数泊、グループ参加(4名以上で開催)を基本とする。
◆キャンプ参加
体験学習として、年寄り組(あるいは島民)の自然保護活動に参加する。活動内容は表1に示す。参加費用は有料とする。
◆えらぶ年寄り組(あるいは島民)の役割
参加者に、活動の内容や背景をガイド、講師として説明する。報酬は、参加者から徴収したキャンプ参加費からまかなう。
活動内容*によっては、作業参加者への食事提供、宿泊費の一部補助なども考える*注 自然保護に貢献が大きい場合
2)キャンプ参加対象者
自然に興味ある働く若者や児童・生徒・学生、自然愛好グループを対象にする。
一般のグループに加えて、教師・保護者が同伴する修学旅行、地域子供会のサマーキャンプなどが考えられる。
3)体験学習の内容
えらぶ年寄り組(あるいは島民)が日常的に実施している活動(*別表1)を、参加者に手伝ってもらうことを通して体験的に自然保護を学ぶ。
4)えらぶ年寄り組の役割
体験学習キャンプを主催、運営する。
講師、学習指導の補助をする。
キャンプ場を運営・管理する。
ガイドを担ったり、紹介する。
(3)キャンプ実施の効果
1)交流人口の増加が見込める。
2)島外の、自然保護ボランティアが確保できる。
3)ガイド・講師、民宿経営など雇用創出の展望が開ける。
4)ユネスコ・エコパークの趣旨にもかなう
体験キャンプ企画では、@自然保護、A学習、B自然を活用し暮らしに活かす・・・ことが柱となる。口永良部島の編入が計画(予定)されるユネスコ・エコパークの趣旨にもかなう(4)ワークショップ・キャンプのテーマ
表1 当初は、えらぶ年寄り組が企画Aでスタートする。
企画区分 |
担当 |
内容 |
時期 |
A |
ウミガメ上陸・産卵・帰海調 |
5月〜9月
4月〜11月
6月〜7月 |
表2
B 海の学習 |
漁友会などに交渉
|
シュノーケリング(サンゴ、タイドプール)
|
5月〜9月
|
C 農業・畜産作業体験 |
カライモ組合に交 |
シイタケ準備 |
1、2月 |
D 島内歴史 |
ガイド協会に交渉 |
島の歴史・島内史跡学習 |
|
(5)参加費用の試算
1)キャンプ
2泊3日程度、グループ参加(4名以上で開催)として、下記を試算した。
2)費用試算
2泊3日、体験学習は半日を2回程度。
学習費は、えらぶ年寄り組の作業手伝いの場合は、無料も考える。
年寄り組以外の島民がかかわる作業の場合は、有料。
区分 |
内容 |
費用 |
合計 |
交通 |
鹿児島から往復 |
14000+4000円 |
18000 |
テント2泊 |
1000円 |
10000円 |
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民宿での宿泊 |
宿2泊 |
〜14000円 |
〜19000 |
団体 |
テント |
1000円 |
4000 |
将来は下宿型も |
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*希望者への、まかないの場合
(6)実行にあたっての留意すべき点
1)必要な施設
キャンプ場(町有地が借りられるのか?)
荒天時の避難小屋など
2)雨天・荒天の場合のプランが必要
3)必要な資金計画
できれば300万円(主にキャンプ場の整備)を確保したい。資金が獲得できなくてもスタートする。
民間財団の助成金を得るべく申請する。離島振興にかかわる町や県、国の予算獲得も、視野に入れる。
(7)研究課題
1)旅行業法の回避
顧客運搬は避ける。
民宿の車などの借り上げ車、レンタカーを顧客が運転して移動してもらう。
宿泊は紹介する
2)事故対策
保険など。
3)他団体、島民との利害調整
EP活動計画(案)は、「えらぶ年寄り組」が、地域に提案している計画案です。ただし、「えらぶ年寄り組」でも議論中であり、最終案ではありません。
自然の調査や保護活動を行うことで、国立公園に指定された豊かな自然を守るとともに、その自然を暮らしに活用し、若い人たちの来島・定住を促進し、口永良部島を活性することを目的とする。当面、目標とするところは、雇用確保であり、若い来島者や定住者の増加である。
ここで提案するEP活動計画(案)は、島外からの人材や知恵による支援を受けての、世代を越えた全島民による、自然を生かした島づくり計画と云える。本計画のために、特別のことをする必要はない。今まで通りに「われわれ島民が、生き抜き、命をつなぐ」ことが、無理なく活動計画を進めることになる。
<注>「島外ボランティア・プログラム」については、「ボランティア募集」のページに掲載しています。
(1)えらぶ年寄り組が、地域に提案しようとしている案で、最終案ではない。
(2)口永良部島には公式な活動計画がなく、早急に作成する必要がある。
えらぶ年寄り組が提案するEP活動計画(案)は、島の公式活動計画を議論する際のタタキ台として位置付ける。
(3)EP活動計画(案)の柱である「自然の調査・保護」は「えらぶ年寄り組」が担当する。
(4)「自然の活用」は、地区や未来創造協議会がすでに実行中である。
(5)将来は、口永良部島を「ユネスコ生物圏保存地域(エコパーク)」として指定申請することも一案である。
屋久島は、すでにエコパークに指定されている。これを口永良部島に拡大することが、屋久島町議会でも、質問に取り上げられている。
(6)エラブオオコウモリの保護については、環境省の「モニタリングサイト1000」の指定を目指す。
(7)EP活動計画(案)を進めることが、「口永良部島生態系維持回復事業計画」の策定を進める契機となるよう準備する。
<注>屋久島には、2012年にスタートした「屋久島生態系維持回復事業(5ヵ年)計画」 がある。
[3]当面の具体的活動
えらぶ年寄り組が担う「自然の調査・保護」に関わる活動では、次のような課題がある。
(1)自然保護活動
1)エラブオオコウモリ
2)ウミガメ
3)草木、樹木の保護
@シカの食害を積極的に防ぎ、植生を守る。Aスダジイ・原生林(2次林)など照葉樹林の維持・復活を図る。Bマルバサツキの群生地、タカツルランを保護する。Cエラブオオコウモリのエサとなる樹木などの植樹を進める。
(2)宣伝や誘致・申請活動
◆島外に宣伝すべき対象と課題
1)スダジイの2次原生林
2)棲みついたウミガメ、
3)サンゴ礁と豊かな魚群など
4)マルバサツキの群生地、タカツルラン
たとえば「花の名山」のようなものに認知されることで、山岳・草木愛好家の支援を得る。
5)ネットによる、情報発信
◆誘致・申請活動
1)学術調査活動の誘致
他に、環境に関わる全国レベルの会議、大会、イベント
2)学生の環境演習活動の誘致
3)ユネスコ・エコパーク*申請
すでに屋久島がエコパーク指定されており、更新申請の時期にある。この際、口永良部島は、屋久島に含めて申請とするのが良いのでは・・・・との、手塚賢至氏の提案がある。また、屋久島町でも、口永良部島を含めての申請の屋久島町としての動きもある(この件で、町議が議会で質問している)。
1)口永良部島の生態系の現状を把握することができ、自然の調査・保護活動を有効に進めることが出来る。
2)観光客の増加、短・中期滞在型の来島者のさらなる増加が期待できる。
3)若い人たちの定住促進の可能性が生まれる。
4)ユネスコ・エコパーク指定獲得による波及効果が見込める。
代表:山口 英昌
住所:〒891-4208屋久島町口永良部島本村379-1
Email:erabu.info@gmail.com
大沢夕志・大沢啓子ご夫妻、Yuko Takahashiさん、野元嗣由さん、後藤利幸さん、大久保政英の皆さま、ご厚意に感謝いたします。